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親父が時計をくれた

2月 14, 2012

大学が決まり一人暮らしの前日の日
   親父が時計をくれた。
   金ピカの趣味の悪そうな時計だった。
   「金に困ったら質に入れろ、多少金にはなるだろうから」
   そういってた。
   二年生のある日、ギャンブルにハマリ家賃が払えなくなった。途方にくれていた時。
   ハッと気がつき、親父の時計を質にもって行った。
   紛れもない偽者であることが判明した。
   すぐに親父電話した。

   俺「おい!偽者子供につかませんなよ!」
   親父「なっあてになんねーだろ人のゆうことなんざ。困った時にこそ裏切られるんだよ
      最後の頼みの綱になー。がはははは!これが俺の教育だよ。」
   親父「でいくら必要なんだ?金に困ったんだろ?」
   俺「・・・・あきれるわ。十二万貸してください・・・」
   親父「明日振り込むから、何があったかは聞かない。金がない理由は親にいえない事が多いわな!」
   親父「がはははは!女にでもはまったか?このバカ息子が!!ははは!!」

   正直心底むかついたが、親父の声は俺を安心させてくれた。
   今思うと、小さい会社だが経営者らしい教育だったのかなと思う。
   そんな親父も去年の夏、ガンで死んだ。往年の面影も消え、ガリガリになった親父が
   また時計をくれた。まだ箱に入った買ったばかりの時計だった。必死で笑顔を作りながらいった。
   親父「金に・・困ったら質にでも・・・入れろや・・!」

   オメガのシーマスターだった。くしくもその日は俺の誕生日だった。
   俺「親父の時計はあてになんねーから質には入れないよ。」
   二人で笑った三日後、親父は死んだ・・・・

   親父が死んだ今も、金ピカの時計はメッキもはげたがまだ時を刻んでいる。

田中佑輝

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From → 感動

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