Skip to content

田舎のばあちゃん

2月 14, 2012

  オレは小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。
   当初、見知らぬ土地に来て間もなく当然友達もいない。
   いつしかオレはノートに、自分が考えたすごろくを書くのに夢中になっていた。
   それをばあちゃんに見せては
   「ここでモンスターが出るんだよ」
   「ここに止まったら三回休み~」
   ばあちゃんはニコニコしながら、「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」と相づちを打ってくれる。
   それが何故かすごく嬉しくて、何冊も何冊も書いていた。
   やがてオレにも友達が出き、そんなこともせず友達と遊びまくってたころ
   家の事情も解消され、自分の家に戻った。ばあちゃんは別れる時もニコニコしていて、
   「おとうさん、おかあさんと一緒に暮らせるようになってよかったねぇ」と喜んでくれた。

   先日、そのばあちゃんが死んだ。89歳の大往生だった。
   遺品を整理していた母から、「あんたに」と一冊のノートをもらった。
   開いてみると、そこにはばあちゃんが作ったすごろくが書かれてあった。
   モンスターの絵らしき物が書かれていたり、何故かぬらりひょんとか
   妖怪も混じっていたり。「ばあちゃん、よく作ったな」とちょっと苦笑していた。
   最後のあがりのページを見た。「あがり」と達筆な字で書かれていた、その下に

   「義弘(オレ)くんに友達がいっぱいできますように」

   人前で、親の前で号泣したのはあれが初めてでした。
   ばあちゃん、死に目に会えなくてごめんよ。そしてありがとう。

田中佑輝

広告

From → 感動

コメントする

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。